2011年4月10日日曜日

石巻での活動の報告

【活動の概要】
沢山の方々から預かった本をレンタルしたバンに載せ、4/8(金)の夜に都内を出発しました。そして道中大きな混雑などもなく、石巻市には翌日9日(土)に到着することができました。
石巻市に着いてから最初のうちは予め連絡をとっていた避難所として利用されている市内中心部のいくつかの中学校を訪れていましたが、その途中の湊中学校では「本の図書館プロジェクト」という活動を行っている地元の山根さんという方と偶然知り合いました。山根さんが行っている活動と私たちの活動は似ており、瞬時にお互いが協力して活動していくことを決め、以後山根さんの力をお借りして共同してこの活動を進めていきました。その後は石巻図書館に立ち寄りそこの館長らといろいろと被災地の状況に関しての相談をした後、被害が大きく娯楽物資があまり届いていない北上地域に山根さんと一緒に私たちが運んできた本を届けることに決定しました。

被害が大きい北上地域では北上災害対策本部という組織が震災以後立ち上がり、そこを中心として他に多数存在する避難所に物資を振り分けている北上地域の拠点としての役割を担っているとのことでした。そして、そこでは娯楽物資に関しては集英社から何度かまとめて少年ジャンプの提供があっただけであったため、今回私たちが持っていった絵本、漫画本、小説に大変感謝してくださり、全てを受け取ってくださいました。それらの本は翌日に全て避難所に割り当てていただけるとのことでした。
私たちとしてもみなさんから預かった本を、最も必要としているところに届けることができたことをとてもうれしく思っていました。

[北上総合災害対策本部]

[寄付した本]



【被災地の状況】

[石巻市中心部にて]


[津波により1階部分を失った中学校内部]

被災地の状況に関して、正直自分が想像していた以上に凄まじい被害を受けている地域が多く、衝撃の連続でした。
石巻市の中心部も破壊され、津波によって破壊され漂流してきた家などの木材や車などが積み重なった状態が町のどこにでも存在しており、震災以後この地域ではまるで時が止まってしまったかのような感覚すら受けました。震災からほぼ一ヶ月が経過しているのにも関わらず、依然として混乱が続いている状態は当初私自身が考えていたよりもずっと悲惨でした。
また、私たちが物資を届けた北上地域は海岸に近く、また近くを流れる北上川を津波が逆流してきたため、かなりの高さの津波が押し寄せてきたと推定されています。そのため、川のそばにあった集落はほとんどが津波に飲み込まれ、その光景は無残にも家数件を残して全てが瓦礫になってしまっていました。
北上地域にはもともと小学校が3校、中学校が1校ありましたが、津波と地震により現在建物として使える状態にあるのは1校の小学校のみになってしまったそうです。現在大急ぎでその1校の小学校でまとめて学校を再開させるよう準備を進めているとのことですが、中学校に関していつ再開できるのかは全くの未定だとのことです。

[津波によりほとんど全てが流されてしまった北上地域の集落]




【届けた本に関して】
今回出発前にみなさんからいただいた本を整理し、その際申し訳ないのですが本で巻が抜けていたり、状態が悪いものに関しては置いてきており、運んできた本約1600冊(漫画本:約1000冊、絵本約500冊、小説約100冊)全てをこの北上災害本部に寄付することが出来ました。
寄付した本は上で述べたとおり、全て災害本部から避難所に割り当てられ提供されます。
また、北上図書館は津波により流されてしまい、全ての図書を失った状態であるため、再建後は今回届けた特に絵本と小説に関してはその後も保管され、利用され続けるということでした。
この北上地域は中心部から離れているということもあり、他の避難所と比べると外部からの人手、物資ともにあまり充実していない様子でした。特に娯楽物資は非常に限られていたため、そこのスタッフの方々には大変喜んでいただけたようで私たちとしてもよかったです。また、みなさんから頂いたメッセージも渡すことができました。



【総括】
正直被災地の状況は自分達が想像していたよりもはるかに深刻で、いたるところで津波が町を飲み込んだ形跡が今も残り、震災から既に1ヶ月経過しているにも関わらず時が止まってしまっているような印象すら受けました。また、場所によっては津波が運んできた泥によって異臭が漂っているところも多々あり、このような状況が今も継続して続いていることに私自身非常に胸を痛めましたし、再建には非常に多くの時間・労力がかかるであろうことは素人ながらに瞬時に理解できました。
さらに避難所を訪れた際、多数の行方不明者を探す貼り紙があり、なかでもある若い男性が震災により行方不明になっている奥さんを探していることを伝える貼り紙をみたときには、胸が熱くなりました。そしてそういった家族や友達を失った人たちのストーリーが1万、2万とさらにまだ存在することを考えると私自身なんとも辛い思いになりました。

避難所にいる方々も辛い思いをしていますが、今回実際に訪れてみて感じたことはそこで働いているスタッフの方々も非常に大変な思いをしていることです。私たちが山根さんと最初に訪れた石巻図書館は現在避難所としても利用されていますが、そこで活動しているスタッフの方々も同時に避難者の方々でした。
私たちは図書館の館長の方といろいろと話をさせていただきましたが、その方も津波により家は損壊し家族は避難所に退避しているということでした。ただ、その方は図書館のスタッフとして避難所の図書館にいる方々のサポートをするため震災後2週間、服はそのままお風呂にも入らず活動をされていたとのことです。そのためか、言葉には出していませんでしたが、私としてはだいぶ身体・精神ともに疲れきっている様子を感じ取れました。
この図書館に限らず、他の多くの学校などの避難所に関しても、運営しているのはその学校の職員であることが多く、非常にストレスのかかる中で生活をしています。

今最も必要なものは、物資ではなくそれこそ人手であるように思いました。私たちも現地まで物資を運んでいましたが、現時点で道路も復旧し多くのモノが届く状況のなかでは人の手によるサポートが必要であるように感じました。
特に大きな避難所には現時点では全国からたくさんの方々の支援により、物資がすでに届いている状況であったように感じました。たくさん物資を抱えてはいますが、人手が足りなかったりということで仕分けが進まず、それこそ余ったものを小さな避難所に届けきれていないような状況であるように思います。
仕分けをするのも主には被災された人々自身であるスタッフの方々、そういったところに人手を提供していくことが今最も求められているのではないのかな、と思いました。


【今後ボランティアを考えている方へのアドバイス】
私達自身が今回直接被災地まで行って活動したことで感じたことを、これからボランティアを考えている方にとって少しでも役に立てればと思っています。
上でも述べたように、ボランティア活動として現在物資を送ることよりも、労働力そのものを提供するほうが喜ばれるのではないかと思いました。避難所にいるスタッフの方々もすでに疲れきっている方も多く、また今後町に散乱している瓦礫などを撤去するのにも人手がどんどん必要になってくることかと思います。幸運にも現在、被災地へ通じる東北道は混雑しておらず、都内から6, 7時間で仙台あたりまで着くことができるかと思います。また給油に関しても空いているガソリンスタンドもあり、次第に整備が整ってきている印象を受けました。
ただ、私たちの経験からもお伝えしたいのですが、現地でボランティアをする際には出来る限り地域の避難所、特に向こうで動いているボランティア団体とコラボレートしていくことが大切なように思いました。私たち自身も当初避難所と直接連絡を取り合いながら活動を進めていましたが、結局現地に行ってからはそこで活動している地元のボランティアの方々と共同で活動をしていったことでよりスピーディーにかつ必要としているところに支援を届けることができました。
そのため、現在既に行われている活動に加わったり、そういった現地で活動をしている方々がもっているネットワークを活用していくことで、真に必要としている場所へ効率よく支援をしていけるのではないかと思います。


【最後に】
今回このスマイルチャレンジという活動に関わり、支援をしてくださった多くの方々には大変感謝をしております。
みなさんから頂いた本を代わりに届け、現地ではたくさんの方々に喜んでいただくことができました。みなさんにその声を直接届けることができないのが残念ですが、今回避難所にいる方々、そして協力してくださった方々ともに大変意味のある活動になれたことを嬉しく思っています。
本当にどうもありがとうございました。

もしなにかありましたらお気軽に連絡していただければと思います。

スマイルチャレンジHP ⇒ http://smilechallenge.web.fc2.com/
Twitter ⇒ smilechallenge0409
メール ⇒ smilechallenge0409@gmail.com

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